囚われジョーカー【完】
思うんだけど、明日香さんも清水くんも叔父さんも私の話聞いてないよね。それを言ってしまえば三浦さんもだろうけど。
そんな私の思考は、突然明日香さんがテーブルを両手で叩いた音で引き戻される。
予想していなかったことだけに心臓の動きは早い。目を見開き気味で明日香さんを見れば、彼女は大きく頷き厨房へ向かって叫んだ。
「すみませえええええええええん!モーニング一つ追加でええええええええす!」
「……。」
明日香さん、大胆てか大雑把すぎますよ。せめてレジの所で「話に入れろ」オーラ出してこっちガン見してくるオッサン遣いましょうよ。
さすがにこれには苦笑を浮かべる私と清水くん。そんなことはお構いなし、明日香さんは何時も通り悪戯っ子のような笑みを返してきた。