囚われジョーカー【完】

彼との関係になると優柔不断なくせに慎重になる私は、三浦さんに言うか言わないか決めきれずにいた。


「バイト先とか私のアパートはバレそうなんで駄目です」

そう言ってしまえばいいだけの話。



三浦さんだって自分の身が可愛いに決まってる。私だってそうだもの。自分に火の粉が降りかかること恐れて後一歩を踏み込めない。曖昧に濁す。


それでも、三浦さんだって同じ筈だから分かってくれるだろう。



今日から、確かプロジェクトが始まるとか言っていた気がするから一週間は会えない。

その間に自分の中で言葉と心の整理をしよう。




このまま、この関係を暗黙の中で続けていくのかということを。

まあ、そんな事考えるだけ無駄なことは分かっているんだけど、ね。



後ろめたさも罪悪感も

貴方との時間には変えられない。