囚われジョーカー【完】




それに三浦さんは愉しげに口角を持ち上げると、私から視線を逸らしまた清水くんへとぶつける。



「あー…、清水くん?」

「…はい。」

「もう夜遅いし、帰りなよ。親御さん心配するよー?」

「…ご心配なく。一人暮らしなんで。」


三浦さんの口調は穏やかで、何を考えてるのかやはり読めない。

それでも、その中で三浦さんの感情を読み取ることが出来るものが一つだけあった。




「(三浦さん、目が、)」

目が、笑っていない―――――…


表情や態度からは分からないけど、その目は彼の感情を露わにしていた。

さすがにそれには清水くんも一瞬怯む。



三浦さんの顔立ちは怖い位端正で綺麗。男らしい雰囲気の中に時々妖艶な仕草を見せるから、そこが危ない。

――そんな、狡い大人。





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