囚われジョーカー【完】
第二幕
━jealousy━
「っ、ん…、」
何度も何度も角度を変えて重なる唇。降り続くキスの雨、触れる三浦さんの唇はやはり氷みたいに冷たいのに……
二人の間に漏れる吐息はとろけるほど甘く熱い。
口端の隙間から漏れ出た声に私の羞恥心は煽られる。うっすら瞼を持ち上げた視界を占領するのは、私を鋭い瞳に映し込む三浦さんのドアップ。
その鋭利な視線が私に突き刺さり、熱く疼いていた身体の芯から熱が一気に引いていく。
「(こんな…目…、)」
唇が離れハッキリと顔が見えるようになり、確信した。
―――――三浦さん、怒ってる…?
鋭い視線、こんな目は見たことない。苛立っていると言う言葉も当てはまるけど、…それよりも、酷く冷たい。
「み…うら、さん…?」
「誰アイツ。」
「え…?」
「誰だよ、さっきの男。」