囚われジョーカー【完】
三浦さんの口から発せられた声色は不機嫌で、刺々しい。
問いかけられた言葉の意味は分かっていたけど、わざと聞き返した。
その私の思惑に珍しく気付いてないらしい三浦さんは、尚も猟奇的に目をギラつかせ私を見下ろしている。
「バイト先の、友人です。」
「へえ。で、その御友人に告白されていたと?」
「……、」
皮肉めいた言い方に内心苛立ったが、小さく息を吐き出し気持ちを抑える。
てか、この人どこから見てたんだろう。それって卑怯じゃない?私だけ責められる現状が納得できない。
「…だったとしても、三浦さんには迷惑かけてない。」
「……。」
「関係、ないじゃないですか。彼氏でもないのに友好関係まで干渉…」
゙干渉されたくない゙という言葉は、私の口から音となる前に三浦さんの唇によって遮られた。