接吻ーkissー
「――たっ…竜之、さぁん…」

ちゃんと呼べなかったのは、仕方がない。

だって菊地さん――竜之さんが、イジワルをするから。

名前を呼んだ私に、竜之さんはイジワルそうに口の両端をあげた。

「よく言えました」

「――ああっ…!」

もうすでに敏感になっているそこに触れたのは、とろけるような指だった。

「――待っ…」

こんなの聞いていないと言おうとしたら、
「ご褒美、やめるなんて一言も言ってないだろ?」

竜之さんに返された。

「――そんな…」

さっきと変わらないじゃないの。
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