接吻ーkissー
首を縦に振ってうなずいた私に、
「素直なヤツ」

竜之さんはフッと笑うと、後ろから指であごをつかんできた

彼に振り向かされて、触れるだけのキスをされた。

「――ッ…」

すぐに唇が離れる。

「後ろからだと、難しい」

クルリと、躰を竜之さんの方に向けられた。

「――ふっ…」

唇がすぐに重なったのと同時に、舌が口の中に入ってきた。

「――んっ…」

苦い…と、私は思った。

タバコの味がするキスだった。
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