接吻ーkissー
あっ…。

気づいた時には、時すでに遅し。

竜之さんはニヤリと笑うと、
「またシたくなったの?」

私の顔を覗き込んできた。

「ち、違っ…」

首を横に振って、すぐに否定をした。

「――その、うっかりと言うか…」

「うっかり?」

「うっかりです、あっ…」

太ももに、竜之さんの大きな手が触れた。

「――たっ…竜之、さん…」

名前を呼んだら離れてくれた手に、ホッと胸をなで下ろした。

何なのよ、これ。
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