接吻ーkissー
その時、店内にピアノが流れた。

「あ、ルパン」

私は呟いた。

店内に流れているのは、ルパン三世のあのテーマソングである。

それを弾いているのは、もちろん竜之さんだ。

「すごいなあ…。

ルパンをジャズにアレンジしちゃうなんて」

関心をしながら、シンさんは耳を傾けた。

本当に、竜之さんは何でもできるなと思った。

ピアノが弾けるって言うだけでも充分すごいのに。

「ああ、そうそう。

見た目はオレンジジュースとそう変わらないから」

そう言った後、シンさんは私の前にグラスを差し出した。
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