接吻ーkissー
竜之さんに見つめられたシンさんは、ヘビににらまれたカエル状態である。

「お前が黙秘権を使うなら、璃音本人に聞いた方がよさそうだな」

そう言って私に視線を向けた竜之さんは、
「シンに何をされたんだ?」
と、聞いてきた。

「あの、菊地さん…」

名前を呼んだシンさんに、
「ことの次第によっては…シン、俺はお前を殺す」

竜之さんに言われた瞬間、シンさんは血の気がないって言うくらいに青い顔をした。

「で、シンに何を飲まされた?」

そう聞いてきた竜之さんに、
「――カシスオレンジ…」

私は答えた。

その瞬間、竜之さんはピクンと眉を動かして、シンさんは真っ青になって震え出した。
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