接吻ーkissー
んっ、どうしたの?

「――お前…!」

そう言った竜之さんに、
「すみません!」

シンさんが頭を下げた。

竜之さんの表情は変わらなかった。

「今日中に、彼女にお別れを言っておくんだな。

璃音にカシスオレンジを2杯も飲ませやがって…」

えっ、2杯?

竜之さんの言う通り、空っぽのグラスが2つと私の目の前に置かれていた。

「璃音、行くぞ」

「えっ、ううっ…」

竜之さんに腕をひかれて、私は椅子から腰をあげられた。
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