接吻ーkissー
荷物なんか頼んでいないのに。

それとも、お父さんが何かを送ってきたのだろうか?

とりあえず、不在届けに書いてある電話番号にかけて、今すぐ届けにきてもらうようにと頼んだ。

電話をかけてから1時間後、その荷物が届いた。

「ご苦労様です」

走って帰って行った宅配便のお兄さんの後ろ姿にそう声をかけた後、送り主の名前を見た。

「――竜之さん?」

“菊地竜之”

送り主の名前には、確かにそう書いてあった。

竜之さん、何を送ってきたんだろ?

そう思いながら箱を開けると、
「――わあっ…!」

首のところが大きく開いている黒いワンピースだった。
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