接吻ーkissー
今日は燕尾服なんだと、竜之さんの服装に気づいた。

いつもバーで演奏している時のスーツ姿ではなく、お祝いの席でよく見かける燕尾服だった。

ホテルな訳だから、それ相応の格好をしなきゃならないって言う話だよね。

特に、今日みたいに会場がそうだったらなおさらである。

「正直、一般のホテルと一緒の値段で泊まれるとは思えねーな」

そう言った後、竜之さんは苦笑いをした。

そうだよね、玄関自体がもうすごいんだもん。

一言で言うならば、映画やドラマの中に迷い込んだと言う感じだ

「行こうか?」

そう聞いてきた竜之さんに、
「はい」

私は首を縦に振ってうなずいた。

玄関の前でつっ立っていても仕方がないので、中に足を踏み入れた。
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