接吻ーkissー
竜之さんが好きなのは、事実だから。

竜之さんが好きなのは、現実だから。

いくら無意識だろうが何だろうが、それが私の気持ちなんだから。

由良、やっぱり私は竜之さんを捨てることなんてできないよ…。

竜之さんが好きだから…。

「――初めてかもな、璃音が“好き”なんて言ってくれたの」

そう呟いた後、竜之さんがニヤリと笑った。

「いや、2回目か。

1回目は告白の時だったからな」

鼻に感じるのは、竜之さんの甘い香り。

躰に感じるのは、竜之さんの熱。

「そっくりそのまんま返してやるよ」
< 188 / 238 >

この作品をシェア

pagetop