接吻ーkissー
妙に似合ってたから、てっきりそれを着たままで演奏するのかと思っていた。

「何見てんだよ?」

「えっ?」

何故だかよくわからないけど、菊地さんに言われた。

「ずいぶんと物欲しそうに俺を見てたろ?」

ニヤニヤと笑いながら、菊地さんが迫ってきた。

も、物欲しそう!?

私はどんな顔で見てたって言うんですか!?

って言うか、物欲しそうって何ですか!?

すっごいエロチックな感じがするのは私の気のせいですか!?

「菊地さん、衣装!」

お兄さんの声が私たちの間に入ってきた。

「おお、忘れるところだった」

ホッと、私は胸をなで下ろした。
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