接吻ーkissー
菊地さんは今にも泣きそうで、悲しそうな表情をしながら言った。

「そりゃ、おっさんが寝ぼけたことを言うなよって言う話だけど…」

「――イエス、です…」

声が震えて情けないのは、無視をする。

今は自分の気持ちを言いたくて、菊地さんの告白に答えたかった。

「あなたが好きです」

私が言ったら、菊地さんは優しく微笑んでくれた。

そして、視界は彼の胸の中に変わった。

「信じてもいいんだな?」

「…はい」

「ウソじゃなければ夢じゃないって、思ってもいいんだな?」

「…もちろんです」
< 66 / 238 >

この作品をシェア

pagetop