接吻ーkissー
「じゃあ…あなたは、そのバーのマスターなんですか?」

私が聞くと、
「いいや」

彼は首を横に振った。

「俺はここに雇われているだけのピアニスト」

ピアニスト?

初めて聞いたって言う訳じゃないけど、驚いた。

「マスターは今は買い物に行ってる。

もう1人は学校」

「へえ、そうなんですか」

私はオレンジジュースを1口飲んだ。

当たり前だけど、オレンジジュースは甘かった。

「1曲弾いてやってもいいぞ?」

彼が言った。
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