接吻ーkissー
彼の大きな手は、私の後頭部に回っていた。

我慢できないって、こう言うことなの?

またキスしたくなったみたいな、そんな感じなの?

そう思っていたら、また唇が離れた。

「本当を言うなら、せめて躰は高校を卒業するまで我慢したいところだった」

唇が重なって、離れた。

「30をとっくに過ぎたおっさんが未成年に手を出すなんて、結構勇気がいるんだよ」

また唇が重なって、離れる。

「でもお前が天然で無防備だから、そのたびに理性を破壊される俺の身にもなってみろ」

「――ッ…」

言い終わった後、また唇が重なる。

菊地さんにキスされるたびに、心臓の音が大きくなって行く。

躰が熱くなってきて、頭がボーッとし始めてきた。
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