接吻ーkissー
荒い呼吸のせいで、うまく息ができない。

目がチカチカとしていて、頭がボーッとする。

「そんなに、よかったか…?

まだ指を離そうとしないぞ、ここは」

そんな、恥ずかしいことを言わないでよ…。

振り払うように離した指の次に当てられたものは、熱くて固いものだった。

「――ッ…!?」

これ、さっきもあったよね?

菊地さんのそれだと気づいたのは、たった今だった。

「そう力を入れるな。

欲しいなら、今くれてやる」

って、いつの間に!?

私は驚いた。
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