シンデレラルーム 702号室
「とりあえず開けてみるか…」


首をかしげつつ瞬哉は受け取り口の方へ向かって、その小さな扉を開けた。


遠目にその様子を見ていると、何やら従業員らしき女性が話してるみたいだった。



「どうしたの?瞬哉…」


「ったく…マツさんにやられた」



苦笑いしながら戻ってきた瞬哉の手には、白いトレイが。


その上には二人分のワイングラスと小さなスパークリングワインが一本。


そして、どこで用意したのか一本のサーモンピンクの薔薇と共に

“お幸せに”と書かれたメッセージが添えられていた。


よく見るとその下に小さく
“しょうがないからホテル代タダにしてやる”
と書いてある。


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