シンデレラルーム 702号室
お決まりの702号室で、ソファーに座って二人でくつろぐ。

この派手過ぎない赤いソファーは莉子のお気に入りらしい。


紅茶を一口飲むと、莉子は俺の肩にゆっくり頭を寄せた。



「デートなんて久しぶりだったから楽しかったぁ…」


「そうだな」



今日のことを思い出しているのか、幸せそうに目を閉じる彼女の頭をそっと撫でる。


最近はデートと呼べるようなことはあまりしてなかったからな…。



俺の仕事が忙しかったからってワケじゃない。


結婚してからしばらく専業主婦状態だった莉子が、ある日突然こんなことを言い出したからだ。



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