シンデレラルーム 702号室
「あたしがちゃんとユメちゃんを守れなかったから……」


「…莉子、それは莉子のせいじゃないだろ」



流産してしまったのは妊娠初期で、胎児が自然に心臓を止めてしまったのだから誰が悪いわけではない。


莉子が安静にしていてもしていなくても、ユメちゃんは生きられない運命だったんだ。


それは莉子も理解しているはず。



「それは分かってるんだけど……でもね?
小さな女の子が泣いて『ママ』って呼んでる夢をよく見るの。

あれは…もしかしたらユメちゃんなんじゃないかなって思って」



莉子は瞳を潤ませて、涙を堪えるように唇を噛む。


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