シンデレラルーム 702号室
「楓の言う通り…。あたしが後ろ向き過ぎるからいけないんだよね」


莉子は顔を上げて、少し赤くなった目を細めて笑った。



「こんなんじゃ資格取れたとしても仕事にならないね…。
ダメダメ!もっと強く、前向きにならなきゃ!」



自分に言い聞かせるように、ぶんぶんと首を横に振っている。


俺はそんな莉子を胸に引き寄せ、そっと抱きしめた。



「だいぶ前向きになったと思うよ?
昔はもっと後ろ向きでかなりのネクラちゃんだったしね」


「う…根暗って…。
でもホント、どれもこれも楓のおかげです…」



腕の中で更に小さく丸まる莉子に、「俺は何もしてないって」と言いながら短く笑う。


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