シンデレラルーム 702号室
今日の花火は偶然にもこのホテルの正面に見える位置に上がり、しかもここは最上階。


カップルが人目を気にせず花火を見るにはうってつけの場所だ。



瞬哉にも『予約させてー!』とか言われたが…

いくら心優しい俺でも、一年前から入ってる予約(俺だけど)をキャンセルさせるわけにいかないからな。



「雪音さん達も今頃どこかで見てるかな〜」


浴槽の淵に両腕を組み、その上に顎を乗せてニコニコ笑いながら莉子が言う。



「二人もすごい幸せそうでよかったよね」


「まぁな。瞬哉は元々アホな上に幸せボケが重なってもう手に負えないけど」


「アハハ……。」


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