シンデレラルーム 702号室

「う…そ……」


都合のいい夢じゃないよね?


まさか一目惚れしたのは……

有坂くん“も”ってこと?



「恋愛が面倒だったのも本当だし、アンタに対するこの気持ちは絶対恋なんかじゃないと思ってたけど…
案外試されてみるもんだな」



ふっと柔らかく微笑む。


初めて見た……有坂くんの笑顔。



「今…素直に“愛しい”って想えるんだ。
自分の中にこんな優しい気持ちがあったなんて知らなかった」


「…あ…ッ…!」



ゆっくりゆっくり、彼があたしの中に侵入してきて──



「俺って結構…アンタのことが好きらしい」



心も身体も
ぴったり重なった。




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