シンデレラルーム 702号室
大好きな人とカラダを重ねることがこんなにも幸せだってこと、ずっと忘れかけてた。
有坂くんの指や唇が優しく触れるたび、
言葉だけじゃ伝わらない想いが伝わってくる気がした。
「欲しかったモノがやっと手に入ったわ」
星空の下、二人で露天風呂に浸かりながらあたしは得意げに言った。
「この勝負はあたしの勝ちね!」
「誰がいつ勝負を挑んだよ?そして人をモノ扱いするな」
相変わらず不機嫌そうにしている彼。
でもあたしの顔はニヤけたまま戻らない。
「でもまぁ…色々言うよりこの“手っ取り早い方法”が一番合ってたのかもな。
口下手な俺と、恐ろしく不器用で強引な結花には」