あやとり
私自身、自分の力や行動に期待などしていない。
同時にいつも優ちゃんに期待しているのだろう。
私の言うことを、わがままを聞き入れてくれる、他人よりも優れた部分を多く持つ姉が、どんなことからも私を守ってくれているとまで思っていたのだ。
それが優ちゃんの婚約破棄を機に微妙に変化してきた。
今の優ちゃんを見ると、悲しくなる。
私に強いコンプレックスを持たせるほどに神様から恵まれた美しさや才能があったはずなのに、婚約破棄、長年勤めた会社も辞めてしまっていて、そのことを家族にも話せないでいる。
いつも自信に溢れていた優しい姉の顔が私の中で次第に崩れていく。
余裕が感じられないほど不安定になる。
そして優ちゃんは、既に私と繋いでいた手を離しているのかもしれない。
他の誰かにその手は伸ばされて、そのことが私のもやもやとした感情に繋がっているのかもしれない。
我ながらなんと我が侭で自分勝手なのだろう。