あやとり
最初のメールで親切にも直哉は、私の公開しているプロフィールの危険性を教えてくれた。
その文面はまるで自分の妹を心配するようなもので、私は素直に直哉の言うとおりに、自分が載せたプロフィールはその日のうちに全部消し、ネット上での当たり障りのないプロフィールを作り上げた。
それと同時に直哉とのメル友関係が始まった。
これまでも、これからも、私自身のことを他人から羨ましがってもらえることはないだろう。
自分の力だけでは、誰も私に関心など持ってくれないとも感じていたから、直哉が私に興味を示してくれたことは、私にとって奇跡とも言える。