あやとり

男が右手に持っていたロープを優ちゃんの前に出し、両手で持った瞬間、私は視界がぼやけだし、体中の血が全部上に上がってくるかのように騒いだ。

体が動かない。

助けに行かなくちゃ。

でも、行く勇気なんてない。

「なにしてんの?」

背後からの言葉に心臓が飛び出そうになった。


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