あやとり
そう言ってそれが聞き入れてもらえる立場ではないことも認識しているのか、男はうな垂れている。
「どうして、こんなこと……」
優ちゃんが訊くと、男は深いため息を吐いた。
「……その男は、どう見ても年下だ」
「えっ」
「……どう見ても、僕よりずっと年下の男だ。嘘の手紙だったんだ。ずっとずっと、何通も。嘘の言葉で僕を遠ざけていたなんて」
「何、言ってんだ、コイツ」
甲斐君が顔を顰めている横で、優ちゃんがはっとした表情をする。
「年なんて、関係なかったんだ。結局、体よくあしらうための取ってつけた言い訳に過ぎなかったんだ」
「……ごめんなさい」
男に向かって、優ちゃんが呟く。
「なに謝ってんだよ?」
「……警察はよしましょう」