あやとり
言葉の音
今日は一日、ベッドから出なくてもいいと思っていた。
昨晩泣いたせいか、頭がガンガンする。
母は入院中だし、父は既に出勤しているだろうし。
冬休みは極端に関わる人間が少なくなるから、楽でもあり孤独でもある。
携帯電話が鳴り出したが、無視していた。
昨日、帰り道で何度も直哉に電話をした。でも、直哉は出てくれなかった。
時間を空けて、午後十一時頃にも掛けた。
その時からはずっと話し中だ。
受話器を握りながら、もう直哉は電話に出てくれないような気がしていた。
私にとっての携帯電話が、意味を無くしたように思った。