あやとり

でも、今の優ちゃんを見ていると、私が羨ましがっていたものは、彼女の人生にどんなものをもたらしてくれたと言うのだろう。

今の彼女はまるで、神様に嫌われているようにさえ見える。

それでも彼女は微笑んで見せる。

家族の前では微笑んで見せるのだ。

優ちゃんがありのままを見せているのは、たった一人、甲斐君にだけだった。


甲斐君は冬休み、状況が許す限り、祖父母の家に滞在することにしたと私に告げた。



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