あやとり
最終章
繋がる糸
今日は少し寒いなぁと思って窓の外を眺めると、雪がちらついていることが多くなってきた。
冬の女王が日本列島をベッドにして眠っているような感じだ。
優ちゃんの体は順調に回復してきている。
心の面も回復しているといいけれど、こればかりは良く分からない。
優ちゃんのことだ、またポーカーフェイスで胸のうちを見事に隠していることだろう。
今日は甲斐君が東京へ戻ることになっている。
あの二人がこの事件を経て、今後どうするのかは全く聞かされていなかったから、甲斐君が東京へ戻る前に一度話がしたかった。
しかも、甲斐君は犯人が逮捕されてから、病院に顔を出していなかった。
そのことがとても気になっていた。
でも、これ以上私が詮索するべきじゃない。
私はある意味、優ちゃん離れする必要があるから。
まず、二人のことは私が訊くのではなく、優ちゃんが話してくれるのを待てるようにならなくては。