あやとり
甲斐君が照れたように頭を掻き、そして付け加えた。
「いや、僕が、です」
やってられない。
聞いているほうが恥ずかしい。
そんな中、母だけが渋い顔をしている。
「十三も違うんですよ。雅と同級生ですよ。先が思いやられるわ」
あぁ、母はまだ気付いてないのかなぁ。
そう思ったら言葉が口から飛び出していた。
「少なくても今までの優ちゃんより、今がいちばん自然な表情をしていると思うよ」
みんなの視線が私に集まる。
「どうしたの?」
「いえ、なんだか大人っぽい発言だなぁと思って。みぃちゃんからそんな言葉が出るなんてねぇ」
しみじみ言う母の台詞に、優ちゃんが笑い出した。
全く、もう、いつまで私は子供扱いのままなんだろう。
以前と同じことを思いながらも、随分と穏やかな感情になっている自分が居た。