あやとり
元々、自分のことだって、自分で何とかするタイプではない私が、千春に何を協力していいのか、思いつくはずもない。
〈協力する〉と言ったのは、優ちゃんと甲斐君のことを知りたいためで、どちらかというと千春に〈協力して〉と言う意味で使ったようなものだ。
私にとっては使い捨ての言葉だったのに、千春の中ではまだ生きていたのだとこの時に知った。
具体的な案を口にしない私に千春が小さなため息を吐いて肩を落とした。
「まぁいいや。その時が来たら、雅にお願いするから、よろしくね」
「あ、うん」
その時が来たら?
じゃあ、いっそのこと、その時が来ないといいなと思ってしまった。