あやとり


その夜、千春からメールが入った。

〈今日、甲斐君と二人で帰った。優さんとのこと訊いてみたら、別れたって。振られたらしいよ。でねー、早まっちゃったよー。わたし、告ったら振られちゃった〉

内容を目にして携帯電話を持ったまま,ベッドから起き上がった。

告白するには早かったんじゃ……やっぱり優ちゃんと付き合っていたんだ……。

でも、別れたんだ……。

私があんなことを言ったから?

千春が振られることは目に見えていたような気がする。だからそのことにはあまり驚きを感じなかった。

協力すると言いながら酷い友だちだな、と自分のことを思った。

でも、自分が千春のなかで、どのくらいの位置づけをされている友だちかは分からない。

クラスが一緒じゃなくなれば、この付き合いも無くなる程度のものじゃないかな。
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