今宵は天使と輪舞曲を。

「ぼくは君の体に触れていたくてたまらない」
 ラファエルは静かに苦笑を漏らした後、さらに続けた。
「君はどうやら馬が好きなようだが、どうかな。明日、ぼくの厩舎を見に来ないかい?」

 ラファエルの問いにメレディスは耳を疑ったが、断る理由を思いつく筈もなかった。

「ええ、見たいわ」
 そう口にした途端、彼女の唇はふたたび甘いため息しかこぼせなくなっていた。――というのも、彼がまたメレディスの唇を塞いだからだ。





《宥め上手・完》
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