今宵は天使と輪舞曲を。
Act Ⅳ・プロポーズ。
§ 01***最愛のひと。
「愛している、メレディス」
三階にあるこの部屋は主寝室だ。天蓋の付いた立派なベッドの上にメレディスは横たえていた。
そんな彼女を見下ろしているのは深い緑に縁取られた彼――ラファエル・ブラフマンだ。彼の骨張った長い指先がメレディスの顔にかかった髪の毛をそっと取り除く。
たったそれだけのことなのに、彼に触れられた箇所から痺れるような微弱な電流がメレディスの体中に駆けていくのを感じた。
メレディスは甘い薔薇のようなため息を唇から吐き出すと、同時に唇が塞がれた。
ラファエルに口づけられれば熱が灯り、彼女の体が炎に包まれたかのような錯覚を受ける。
今までこうして何度も口づけを交わしたけれど、彼とのこの行為に慣れることなんてない。
メレディスの心臓は大きな鼓動を繰り返していた。
「ラファエル……」
メレディスが呻くと、ラファエルは二度、三度と唇を啄み、彼女の口角へと移動していく。
その悩ましい唇は彼女の首筋から鎖骨へと落ちていった。
彼が動く度にメレディスの体は従順に反応する。腰が浮き沈みを繰り返し、そのたびにベッドのスプリングが軋みを立てた。
彼の大きな両手がメレディスの女性らしい膨らみをぴったりと包み込む。
メレディスは、生地越しから触れられただけでもみぞおちに熱が溜まるのが分かった。
頂を優しく摘まれると両足の間が疼く。その体をどうにかしたくて足を開くと、彼は慣れた様子で自らの腰を入り込ませた。