今宵は天使と輪舞曲を。
「お願い、ラファエル……わたし、このままだと死んでしまうわ」
彼はメレディスに迷いが生まれてもいつでもこの行為を中断できるようにと考えているのだろう、メレディスがこの先の行為を催促すると、蕾に触れた時と同じように丁寧に衣服を脱がしていく。
やがてメレディスが一糸も纏わない姿になると、ラファエルもまた上半身のすべてを脱ぎ去った。
彼の肉体美も美しい。けっして筋肉質でもないのに鋼のような強靱さがある若さ故の肉体。
彼の胸部へそっと手を這わせれば、すぐに手を止められてしまった。
「今はぼくの番だよ、美しい人」
ラファエルはメレディスの下腹部に口づけをすると太腿を開いた。
三角形の茂みに秘められた小さな蕾を唇に含まれた。メレディスは嬌声を上げた。同時に彼の舌で転がされ、メレディスは強い刺激に堪えきれずに体をくねらせた。そうかと思えば彼の指は襞をそっと掻き分けながら中へと沈ませていく……。
「君とひとつになりたい。構わない?」
「ああ、ラファエル。わたしもよ」
ラファエルの言葉に頷けば、彼は中にあった指を引き抜き、メレディスの腹部に自らの衣服をそっとかけた。
それから間もなくして張り詰めた雄々しいものがメレディスの入口に触れた。
目にしなくてもメレディスには本能的にそれがラファエル自身だということを知り、どうにか彼を受け入れるために深い深呼吸を繰り返す。
彼にもメレディスの気持ちが届いたのか、襞を割り開いた指の代わりに自らをゆっくり沈み込ませた。
襞が擦れてひりつく。お世辞にも気持ちがいいとは思えないが、それでも愛する人とのこの行為はメレディスにとって儀式のような尊い大切なものだった。
彼が進めば、襞は従順に開いて先へ導く。メレディスは両足を彼のたくましい背中に巻きつけ、ラファエルへの思いの丈を示した。
やがて彼が最奥まで辿り着くと、メレディスが慣れるまで身動ぎせず待ってくれた。
彼を受け入れるのに目いっぱいだった中は、けれど少しずつ何かが変化していた。
じんわりと熱が生まれているのが分かった。
一度その熱に気づいてしまえば、後はもう呑まれるだけだった。
メレディスが身動げば、頃合いだとラファエルが動く。
「これは、なに?」
生まれて初めて体験する感覚は口ではとても言い難い。
初めはゆっくりけれども少しずつ速度が増す。
彼が動くたびに火花が散る。メレディスは繰り返される抽挿に何度も意識を失いかけた。
それでも気を失わなかったのは、愛する彼とのこの行為を終わらせたくないという一身だ。
「ラファエル、ラファエル」
メレディスは彼を呼び、そのたびに彼は律動を繰り返す。
やがて二人には終わりが近づいていた。
メレディスは嬌声を上げ、中にいる彼を強く締めつけると、ラファエルもまたメレディスとほぼ同時に果てた。