今宵は天使と輪舞曲を。

 ラファエル・ブラフマンは不思議な男性だ。
 彼の側に居るだけで、まるで何でもできる気がするのだ。

「あと、デボネ家と君とは関係ない。キャロラインも兄さんも、父さんだって君を気に入っている。母さんだってきっと君の良さを理解してくれると信じているよ。それにこの屋敷を手伝ってくれているラフマは君にも紹介しただろう? 彼女は母と親しい間柄でね、彼女に気に入られているんだから大丈夫、きっと母さんも認めてくれる――」

 そこまで言うと、ラファエルは何やら思い出したかのように突然大きな声を出した。

「ああ、大変だ! 今日はラフマが来てくれる日なんだ」
「まあ!」

 初めて会った時から、ラファエルにとってラフマはとても大切な女性なのはすぐに理解できたから、メレディスは快く服を着た。
 ただひとり、ラファエルだけが不服そうだったのは言うまでもない。



《最愛のひと。・完》
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