今宵は天使と輪舞曲を。
もはやメレディスに逃げ場ない。今の自分は狼の群れに入り込んだ一匹の鼠のように感じる。
「行くしかないのよね」
「メレディス大丈夫よ。わたしは貴女の魅力を知っているわ。お母様もきっと貴女を知れば好きになってくれるわ」
観念したメレディスはぽつりと呟くと、キャロラインが背中を優しく撫でて慰めた。
「ああ、誰が何と言おうときっと納得させるさ」
ラファエルも左手を差し出した。メレディスは決心すると深いため息をついて彼の手を取る。
兄妹は怖じ気づくメレディスを宥め、重い足取りで食堂へと向かった。
《決意・完》