今宵は天使と輪舞曲を。
今日のドレスは前に紐がついているものでとても着るのに大変だったのを思い出す。それなのに、彼の手にかかれば魔法のように簡単に紐が解かれ、いつの間にか桃色をしたふたつの小さな蕾が顔を出す。
彼は蕾をそっと包むようにして円を描いてメレディスを刺激する。
そうすれば蕾はいっそう強調し、濃い色を見せた。
「ぼくにとってコルセットなんて邪魔なだけだし、ドレス一枚なのは嬉しい限りだけどね、君が他の男の目に入るたびに心配になるよ」
言うなり、ラファエルは蕾を口に含んだ。
「ドレスを着ているのに?」
声が甘ったるくなるのは仕方がないことだ。なにせラファエルがメレディスを刺激しているのだから――。
ラファエルは女性のどこをどう触れれば喜ぶのかを熟知している。メレディスはすっかり彼の虜だ。
「気づいていないかもしれないが、君はこの屋敷に来てからずっと美しくなっているんだよ」
「それはきっと、貴方が傍にいるからよ」
メレディスはラファエルの後頭部を包み込み、慈しむように抱きしめる。同時にドレスから紐が引き抜かれ、ドレスは重力に従って床に落ちた。
「君は本当に綺麗だ」
それはラファエル・ブラフマンの方ではないのかとメレディスは思った。
レースのカーテンから漏れる木漏れ日の白い光は彼の輪郭をなぞっている。まるでこの世の人間とは思えないほどの造形はまさに神によって作られたとしか思えない。
ラファエルがあまりにも誘惑してくるから、メレディスのみぞおちは刺激される。太腿をすり合わせてしまう。