風の音色
「まぁ、何も無しにこの世界に放りだすつもりは無いよ」

時空の管理人は、そう言うと紙を2人に渡す

「何これ?」

陸斗は、紙を表と裏に返して眺める

「それはただの紙じゃない
呪符だ」
「じゅふ?」
「あぁ、陰陽師が使うような物だ」
「「あぁ~」」

海斗と陸斗が同時に理解した

「ココに意味する文字を書くんだね」

海斗はさっさとカバンからマジックを出すと、文字を書く
その紙をシュッと投げると、鳥が現れた
鳥はピイピイと鳴きながら海斗の肩にとまる

「なるほどね」

海斗は鳥を撫でながら納得した

「わぁ!スゲースゲー」

一方の陸斗は興奮中

「でも、これって1枚だけ?」
「いや、そのポケットから出てくる」

時空の管理人が指差す先は、陸斗のズボンのポケット

「マジで!?わ~スゲー!」

よほど嬉しいらしい
陸斗の様子を海斗はただ眺めていた

「あと、体力や脚力など、運動機能を強化しといたよ
この世界…まだ何があるか分からないからね」
「ふ~ん、僕達に力をくれるのは、探索もかねて…ってことだね?」
「そうだよ」

海斗の問いに何のためらいもなく、頷く時空の管理人

「え?俺達実験台!!?」
「いや、それとは違う」

陸斗のズレた発言に、海斗はしっかり否定する

「力をあげるから、この世界を探索してもらって、不明な部分を解明していこうってことさ」
「その通り
別に、君たちにも悪い話じゃないでしょ?
ココで無駄に時間つぶすよりは」

確かに、この暗い空間で帰る手段が見つかるまでいるのは、退屈すぎる

「良いよ、僕も楽しみたいからね」
「よく分からねぇーけど
楽しめるなら俺は良い!」

陸斗の発言に呆れるのは、勿論海斗
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