風の音色
「じゃ、さっきの草原に君たちを戻すよ」
「なぁなぁ、その前に」

2人を戻そうとした時空の管理人に陸斗が待つように言う

「なに?」
「お前の名前…なんてーの?」

まさか、名前を聞かれるなんて思っていなかったのだろう
時空の管理人は驚きに目を見開いている

「…オレに名前は無いよ」

そもそも必要が無い
兄貴がいる…と言っても、関わることなどほとんど無いのだから

「えぇ!マジで!!?
会うたんびに『時空の管理人』じゃ呼びにくいよ」

陸斗が言うことはもっともだ

「じゃ、俺が名前つけて良い?」

陸斗の言葉に、時空の管理人はただ頷いた

「ん~と
リートってのはどう?」
「…どう?…も何も、お前の名前から「く」取っただけじゃん」
「う…」

そう、陸斗は自分の名前から「く」を取り、代わりに「-」を入れただけなのだ

「ハハ、俺は『リート』でも構わない」
「じゃ決まり!」

自分の考えた名前が採用され、ご機嫌な陸斗

「じゃ、俺達も帰る方法探すから
君たちも頑張れ」

リートがそう言うと景色がグニャッと歪み
2人が気がつくと、草原にいた
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