風の音色
知らない世界
「ええぇぇぇ!!!
海斗、マジなのか!?
ほら、もっとよく探そうぜ…
どっかにちっちゃく「無いよ」

必死に可能性にすがろうとした陸斗の言葉は
無残に、海斗に真っ二つにされた
大きなダメージを受けた陸斗は硬直した

「この世界には無いって、どういうことだ?」

一人取り残されたラルクが問う

「僕らがいたところの世界地図と全く違う
そして、日本が無い
つまり、僕たちが存在していた世界と
ココは、全くの別世界ということ」

表情を
変えずスラスラ答えていく海斗
その横で、暗いオーラを出して蹲る陸斗

「へぇ~、そんな旅人もいるのか」
「え?」

海斗は驚いた
こんなにアッサリ信じてもらえるとは思わなかったからだ

「だって、まだ分からねぇことが、この世界には一杯あるんだ
違う世界から来れるような道だってあるかもしれねぇだろ?」

ラルクの言葉に、海斗は一瞬ポカンとしたが
異世界の人間であることを考えると、ラルクの思考も納得できなくはない

(教育とかも違うんだろう
こういう発想が出てきて当然だな)

「なぁ…海斗、俺達これからどうしたら良いんだ?」

いつの間にかダメージがら復活した陸斗が海斗に訊ねた

「お前ら、アテねぇのか?」

ラルクの言葉に頷く2人

「なら、来いよ
オレの今泊ってる宿にさ」
「いや、でも僕らはお金持ってないし」
「んなの心配ねぇ~よ、オレが出してやるからさ♪」
「え、マジで!?
ラルク、お前ってなんて良い奴なんだ!!」

陸斗はあ嬉しさのあまり、ラルクに飛びつく
ラルクは、それを何とか受け止めた
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