風の音色
宿屋に着いた3人
宿屋はさほど大きく無く
部屋も3人入ると少し狭さを感じる

「ほへぇ~…宿ってこんな感じなのかぁ~」

陸斗は部屋をキョロキョロ見まわす
窓ガラスは無く
ただ、木の窓枠があるだけだった

「この窓、閉めれないのか?」

陸斗がラルクに尋ねる

「ん?この辺りは気候が温暖なままでな、寒くなることが無いんだ」
「へぇ、1年中暖かいんだね」
「良いなぁ~、俺冬苦手だし~」
「陸斗は、冬だろうが夏だろうが、いつまでも布団から出てこないでしょ」
「うぐっ…」
「ハハハ…」

陸斗は、海斗のツッコミに反論できなかった
その様子を見て、ラルクは2人の力関係を見た気がした

「ねぇラルク
ラルクは何で宿に泊ってるの?」

海斗の問いに、ラルクはフッと笑った

「聞きたいのか?」

聞き返された海斗は、少し間を開けて頷いた

「そっか、まぁ、座われよ」

ラルクは、ベットに腰を降ろし、2人にイスに座るように促す
2人は言われるままに、イスに座った
元の世界とは違い、簡単に木を組んだだけで出来たイスだった

「オレはここの村の者じゃない
オレは、ココからもう少し北にあるルフィトって村から来たんだ」

ラルクは、先ほど2人に見せた地図を開き
ルフィトの位置を指で示した

「で、何で俺がココにいるかってのは
ただの、旅の途中ってだけだ
もう、目的地のリヴィトル村に行ってきた
その帰りだ」

ラルクは、だいぶ南にある位置を指さした

「ちょうど帰り道に、あの森を歩いてたら
人の声がしたから
少し探してみたら、お前らがいたんだよ」
「へぇ~」

陸斗は興味津津なようで、身を乗り出して聞いている
一方海斗は、静かに聞いていた
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