風の音色
「この世界はさ、村ばかりなの?」

先程から、ラルクの話に出てくるのは、「村」ばかりだった
それに気づいた海斗は、ラルクに尋ねる

「ん?そんなことねぇよ
村より少し栄えてることだってあるさ
オレの知る限り…だけどな」

ラルクは苦笑いをしながら、そう答えた

「知る限りって、どういうことだよ?」
「そのまんまの意味でしょ
陸斗、こっちを向こうと一緒に考えてもダメだよ
全世界が解明されているわけじゃないんだ」
「あ、そっか」

海斗の説明に、納得できた陸斗

「ラルク、この地図は誰が作ったの?」

海斗の問いに、ラルクは止まる

「えーっと…誰だったかなぁ…
確か、異国の奴が何人だったか忘れたが、歩いて測ったらしいぜ?」
「へぇ~、歩測だったんだ」
「補足?」
「違うから、歩いて測るんだから、その補足じゃないくらい分かりなよ」
「う…」
「ハハハ…」

2人のやりとりに、やはり苦笑いしかできないラルクだった
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