HERETICAL KIDS
(待てよ?別に怒られることだとは限らねぇ~よな?)

ふと頭をよぎった考えに、スクッと立ち上がる
初めから分かっていることは、『呼ばれている』ことで、怒られると勝手にリュートが想像しはじめただけなのだ
そんな想像がすぐ出来ることから、先ほどの発言から…よく怒られていることは、よく分かった

「そうと決まれば、ジジィに会っても大丈夫だ!」

まだ、怒られないと決まっていないのに、すでにその気なリュート
首領のことを、いつものように『ジジィ』呼ばわりする
首領はそれなりに高齢だが『ジジィ』呼ばわりするのは、天界中探してもリュートくらいのものだろう
昔は、その呼び方を注意する者もいたが、今ではみんな諦めたらしく、誰も注意しない

「んじゃ、さっさと用事を済ませるか~」

リュートは、ドアを開けるために、ドアノブに手をかけた…が、引っ込めた
そして、顎に手をあてて何やら真剣に思案し始める
少しすると、リュートの頭に電球が光った…ような気がした

「ただ入るだけじゃ…面白くねぇ~よなぁ~♪」

誰も、入ることに面白さを求めてはいないだろう
そんな意見を言う人は周りにおらず、ニコニコ笑顔のリュートがドアの前に立つ

「オレは貴重なスリーピングタイムを邪魔されてイライラしてる…
だから…ストレス発散がてらに…」

まだ、昼寝を邪魔された事を根に持っていたようだ
悪戯っ子のような笑みを浮かべながら、リュートは右足を後ろに引き構える
リュートが見据えるのは、ドアのみ

「蹴破る!!!」

左足を軸に右足で思い切り蹴ると、ドアはバキッという小気味良い音を立てて壊れた
パラパラを木屑が地面に落ちていく
キレイに蹴りを決めたリュートは、ストレス発散ができたのか、スッキリした顔をしていた
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