HERETICAL KIDS
「…さてと…」

ドアの破片を踏みつけて、ズカズカと家の中に入っていく
そして、迷うことなく入り口から入ってすぐ左側にある階段を上っていく
2階につくと細い廊下の左右に2部屋ずつ…合計4部屋の部屋がある中、リュートは迷わず右側にある手前の部屋に入っていった
もちろん、ノックもせずに…

「ジジィ、来てやった…ぜ?」

リュートは部屋に入って、目を丸くした
いるとばかり思って入った部屋には誰もおらず
開け放たれている窓からカーテンを揺らして入ってくる風が、リュートに虚しさを更に感じさせた

「…ジジィ…いねぇ~のか?」

キョロキョロ部屋の中を見回しても、人影は何処にも無く
部屋に備え付けられている家具しか確認できなかった

「…ふざけんなよ!オレの貴重な時間を使ってんだぞ!!」

人の気配を探ってみると、この家には誰もいない…という事が分かり
怒りがこみ上げてきたらしい
自分がとてもゆっくりやって来た…ということは棚に上げて

「ったく…早く帰って来いよ…」

近くにあるソファーにドサッと腰をおろす
何処かに出掛けたのだろうと決め付け、帰りを待つことにした

(それにしても、鍵かけねぇーなんて無用心な…)

ドアを壊して入ってくる奴に、鍵の心配など誰もされたくないだろう
そもそも、鍵がかかっているか確認もしていない
ドアノブを回す前に、壊すことを決めて壊したのだ
鍵がかかっていても、分かるはずも無い
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