HERETICAL KIDS
「それで、続きですが…僕が教室に入って少ししてから呼びますので、呼んだら教室に入ってきてください
くれぐれも、普通に…ですよ。首領様の家…神殿みたいに蹴破らないで下さいね」

ズイッとリュートに近付き念を入れるコースケ
それに、一歩引きやや距離をとるリュート

「(何で知ってるんだよ…)そんなことするわけねぇじゃん」
「何で知っているか…ですか。皆知っていますよ
そんなことをするのは、君くらいですからね」

前科と日ごろの行いによって、誰が蹴破ったか…は誰でも簡単分かっていたようだ
リュートは納得するしかなかった

「(やっぱり心読んでるだろ)そーかよ…」
「心は読んでいませんよ。それより、ちゃんと普通に入ってきて下さいね」

コースケは『普通』を強調して言う
視線を逸らしているリュートをジーっと見つめ、無言の圧力をかける

「分かったって!!大人しく入ります!!」

無言の圧力に負け、リュートは叫んだ
もとより、人間界の学校で扉を蹴破ろうなどとは考えていなかったのだが…

「そうですか…とりあえず、煩いですよ
周りに迷惑です」

無言で圧力をかけて、言わせておいてサラッと酷い一言
まぁ、大声で言えなどとは言っていなかったが

「いや、休み時間で周りも煩いから!オレ一人が大声出しても変わらねぇから!」

休み時間で騒がしい教室…その教室から廊下に声が漏れており、リュートの大声など、大した大きさには感じられなかった
リュートの反論は、きれいに無視されて終わった
リュートは不満に思いながらも、教室まで静かについていった
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